不安が消える時
木の若芽

「不安が消える時」
                木の若芽



斬新でいる必要はない
ありのままでいつづける そのほうがいい
空にちょっと同意を求めたら
にこっと光ってみせてくれた
それでいい


大いなる宇宙全体よ
わたしの生を祝ってください
けっして一人ぼっちではないと思うことにします
あらゆる精霊たちよ わたしたちの生を祝いましょう

 
わたしの彼方に 心の彼方に
なにかがひらけていってます
その彼方は近づいてきている
もうひとっ飛びなのかもしれない


不安ってそのものが未練がましいもので
いさぎよく散り飛んでいく勇気がない
かわいそうな気持ちなのね
不安に「勇気出して」と励ましてあげたら
もしかしたらうなずいて消えていってくれるかも

 
不安をきらったりさけたりしないで
大事に愛をこめてことばをかけてあげて
やさしく送り出してあげよう


不可解な神秘をありのまま
幸せとして
ああ 宇宙に 微小世界に
まぎれ入ってゆきながら
こことかなたに
ゆらぎとけてゆきながら
人はみんな幸せになりたい
沈黙のなかに沈んでいくと
新しい次元の美しい音と声が聞こえる


遠いものは
思いをはせることで
近くにできる
本当だよ
わたしは今この手にさんごを
この目にオーロラを実感している


夢から祈りが生まれ
祈りから詩が生まれる
夢見る力こそわたしのすべての源
ひざまずいて土にささやいた
するとみるみる木の芽が頭を出して
むくむく大きくなりはじめた
わたしはもうささやきをやめない
この木が宇宙を支えるほどに成長するまで


小さいものが わたしにはとてもとても大きい
大きなものが わたしにはとてもとても小さい
小は大をはらみ 大は小をつつむ
はらみ つつみ はらみ つつみ
万物はゆらいであたたかい波になる


わたしは世界の何ものでもない
だけど世界を愛していよう
名もないものの愛は 名乗らない愛は
あまねく流れてゆく どんな小さなすきまへも


自由詩 不安が消える時 Copyright 木の若芽 2012-11-03 15:55:11
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