私のトレンチコート
朝焼彩茜色

スタンドカラーではないけれど 凛々しく立つ襟元
ベージュが王色の トレンチコート

10年前の私の トレンチコート

袖を通した瞬間から 棺おけに羽織る永遠の私の制服

張のあるコットン素材 裏地はタータンチェックにあみだを昇る
ベージュが10年を辿る クリーニングと共に汗の勲章 私の冬の勲章

さっそうと歩いた瞬間から 北風も春風も腰までの髪も
ばさっと切り刻む ヒールの音なんかに負けた事がない

流行の外枠 不動の青写真を描き続ける 夢描くデザイン

惹かれ続けた10年間 棺おけの中に羽織る永遠の私の制服

燃やされるのはもったいない けれど

私以外着せてくれない 私のトレンチコート


自由詩 私のトレンチコート Copyright 朝焼彩茜色 2012-11-03 13:36:37
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