さよならの世界
川上凌


世界が終わるその日には

いつもどおりの朝が来た


世界が終わるその日には

ありきたりな言葉だけど さよなら としたためた


世界が終わるその日には

ニュースだってコメディだって いたって普通に やっていた


世界が終わるその日には

もうすぐさよならする世界が 愛おしかった


大事なことはいつだって

抱きしめれる近さに在った


世界を終わらすその日には

まるでこの地平線に沿ったようなこの街が


びん底眼鏡をしたときみたいに

或いは 悪酔いしたときみたいに


小さく歪んで いまなら 掴める気がした




決めたはずなのに


情けなく

よわっちく


足が震えた






自由詩 さよならの世界 Copyright 川上凌 2012-10-26 21:22:53
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