アソコ伝 15章
花形新次

ヌレヌーレ山の裾野にある
レロレロ湖では
洗脳者藤田長吉がスマレンタの村の衆に
デコピンを食らわしていた
そこにタマンキとその弟子たちが
通りかかると
スマレンタの村の衆は彼らをハーギオイの一味だと思い
タマンキに礫を投げつけてきた
洗脳者藤田長吉だけは
タマンキが救世主コチンボであり
最後にして最大のジャーパの王であることに気づき
あのお方に礫を投げるものには
デコピンの刑が下されるだろうと叫んだ
スマレンタの村の衆は
この上またデコピンの刑を受けるのはごめんだと
礫をレロレロ湖に向かって投げ始めた
その礫はレロレロ湖でけ伸びをしていた
洗脳者藤田長吉に霰のように降りかかり
洗脳者藤田長吉は全身を朱色に染め
錦鯉となってレロレロ湖の底に消えた
「自分を棚に上げるものは
棚から下ろす苦労を知ることになる」
タマンキはこう話された



自由詩 アソコ伝 15章 Copyright 花形新次 2012-10-25 18:35:02
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