戻る水。
元親 ミッド


キミだって、僕だって
人は、生まれたときには、みな泣いたんだ。
あらん限りの大きな声で
無垢の叫びで泣いたんだ。

「涙」という字は
戻る水と書くように
泣くことで、気持ちもやすらかになって
生まれた時の、あの無垢な心に戻るんだよ。

涙は、魔法のしずくです。
キミの心を癒してくれる。
苦しみに、悲しみに
嫉妬や、狂気や、怒りにも
そういったあまたの業火に晒されて
こころが真っ黒焦げになったとしても
涙は、キミの心を洗い流して
雨上がりに滴る雫のように
心を安らかにしてくれるんだよ。

だから
泣きたくなったら、泣いたらいいよ。
キミの好きな場所で泣いたらいい。
思う存分、泣いたらいいさ。
何も我慢なんてしなくていいよ。
無垢の叫びで泣いたらいいよ。

戻る水に洗われて
きっと、苦しんだ分、悲しんだ分
やさしくなれるはずだから。


自由詩 戻る水。 Copyright 元親 ミッド 2012-10-24 16:17:50
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