石の不思議
木の若芽

「石の不思議」
              木の若芽


おごそかにあたたかく
さあ こちらへ来なさい
と呼びかける声が響いてくる
大きな何かがある
その方へ歩んでいって対面したのは
ぶどう色と草色と星色の流れる岩
赤虎石
血が脈打つ音を手をあてて聞いた
 

薬になる植物は多い
でもたくさんの石たち
まるいの かくいの 色とりどり 光ったり もようさまざま
石も薬になり わたしを癒してくれるだろう
赤い石 青緑の石 金茶の石
口にふくんでなめてみたら
きっとこころよい苦味が体をみたすだろう
そして宇宙の根源のような力をもたらしてくれる

庭に静かに長くうち忘れられている石たちを
悔悟の心を指からしたたらせて
再会の愛撫をする




自由詩 石の不思議 Copyright 木の若芽 2012-10-20 16:22:41
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