宇宙樹に
木の若芽

「宇宙樹に」
              木の若芽


木の葉にさわる
思わず手が伸びてしまう
ひんやりとすがすがしい感触
かぐわしい気が私の体の中に入ってくる


とにかく思いなさい
どこにいても 何をしていても
木と宇宙
言葉にできない緑
見えない光


私は木のもの 宇宙のもの
何よりもそれらにやさしく抱かれる


決心しよう 私は宇宙樹の子
我が身をその木陰、そのもとに
寄せ、憩い、守り、愛し、捧げると


月と星
夜の宇宙も
木を育てる大事な恵み、力、神秘
木が星をつくり出すかと思われるほど


私を守る力と 私を襲う力と
両方を巨樹は秘めている


天を指すもの
宇宙を受信し
いのちを発信するもの
光でない輝きに包まれているもの
恵みを保つもの
静かでありながら響きわたるもの
大樹の他にそのような存在がありえようか


手を空へ伸ばし 顔を空へ向け
風に舞う木のように

木は風の中に立つ

笑いがあふれてくるね
あまりに気持ちよくて

そう その気持ち そのままでいようよ
生きているあいだ ずっと


心が静まった
立ち去りがたい
木の下ほどよい陰はない


それぞれのいのちが
宇宙への約束を宿している
それは緑色をしている

木はまったく いのちと宇宙の約束
そのものだ


咲く花 枯れる花 守られる花
 野ざらしの花
けれど地球全体では生命はバランスをとり
宇宙全体でいのちは調和してゆく
台風にもてあそばれる草木
試練にもまれる人々
だけど悲しまない
地球のような目
宇宙のような心でいれば


木よ あなたのおかげでわたしは
 生きていける
あなたはかるがると わたしを抱き上げ
 梢の先へ誘う


自由詩 宇宙樹に Copyright 木の若芽 2012-10-17 15:47:40
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