張りつめた白いより糸の上で　踊るピエロ
たくさんのクラブを　放り上げたり　掴んだり

しながら踊るピエロ
ぜんまい仕掛けで
突然動きが早回しになったり
逆回転になったり

退屈はしないけど
その眺めが　痛い

…あなた

私から　顔をそむけるあなた
本物にしか　興味のないあなた
だから僕は　唐木の椅子に腰かけ
この部屋で一人　小さなピエロの人形を眺める

本当に見つめたいあなたは
決してここには　きてくれないから

張り渡した糸の終わりは
光の向こうに霞んで見えない

先の折れた柔らかい　三角帽
黒いドーランに　葬られた眼差し
赤く凍りついた　息のない微笑み

ピエロは優しい
あなたと違って

ピエロは優しく
殺してくれる
私の痛みを

あなたの不在を