スポイトの水
藤鈴呼

全てのコトが 無事に 滞りなく 流れ着いて
何だか 気の抜けた 夜
腑抜けた面した アナタが
ぬぼ〜っと 影に なってる
本当は 「私」 の 方が
本物の 筈だよ
影は 影なんだもの
でもね それならば 何で
影踏みが こんなに 楽しいんだろう

翳る 太陽の 狭間で
キャッチボールを してた
肩も 老化していくことなんて
廊下 走り回ってた頃に
想像できた?

怪我もなく
筋肉痛だけを抱えて
帰宅した あなたは
やっぱり どこか
ぬぼっと している

グローブに スポッと 
入らなかったからに 違いない
スポイトの水は
ちょっと 気を抜くと
流れ出して しまうんだから
指の力 キチっと 閉めてね
蛇口の次で 良いからサ

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自由詩 スポイトの水 Copyright 藤鈴呼 2012-09-26 21:47:34
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