☆シルバー・ステッキ☆
藤鈴呼

急激に アップルパイの 香ばしさが 気になる夜は 
あと どれくらい

指折り数えて 未だ大丈夫だと 立ち上るのは 
アタシの気持ちなんかじゃあ なくって
甘い アップルティーの 湯気でした

原材料が おんなじだから 一安心だなんて 
白い息の向こうで 呟く貴方が

本気で アタシを 心配して くれて いること 
ちょっとダケ 伝わって来て しまったから

また 切なくて
また 哀しくて
また 連打を 繰り返す

一つ クリック 重ねる度に
角砂糖が 溶けていく

それは 暖かさの ため
それは 涙の 理由

明日は ヴァレンタインだね
最後のセリフ 打ち終わる直前に
何かが カランと 足元に 落ちたよ

グラスなんて 置いて いない 筈なのに 
ちょっと ドキリ

嗚呼 ドッキリするクセは 
なかなか 治らないみたい

それでもね ようやっと 
眠れるように なってきたんだ

夜は 冷たいの? やっぱり 寒いの? って キミ。
そうだね 冷たいベッドは イヤだな

ちょっと 白い パイプベッドは 
もっと イヤだな

銀色のヤツがいいな 
出来れば ステンレス
錆び知らずが 丁度 良い

ポタン 落ちた
今度は 涙ではなく

トライアングル風味の 銀色の棒
シルバー・ステッキなんて 呼んであげたら

彼 きっと 喜んで
返事して くれると 思うんだ

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自由詩 ☆シルバー・ステッキ☆ Copyright 藤鈴呼 2012-09-17 01:56:13
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