一滴の水遊び
……とある蛙

落下する一滴の体液
足下に舗装された道が広がる。

一滴の体液は一滴の水ですらなく
足下を潤すことはない

アスファルトに吸収されることもなく
側溝に流れる粘り気のある体液

全て虚偽の中から生まれた体液
それが現実だと無理に信じ込むもの

一瞬の水遊びの
反省もなく



落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる

一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる

蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。

現実だと認識できない
有限な組み合わせ
宇宙の果ての水遊び

アンバランスな砂浜、空と海
その隙間の渚
メルヘンとは無縁の水遊び

一滴の水は水銀飴(みずあめ)のように
鈍く重く銀色に輝く


自由詩 一滴の水遊び Copyright ……とある蛙 2012-09-11 17:11:52
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