蓄える時間
朝焼彩茜色

青信号の点滅に 絶対に走り出せない

 雀をおどかしたことはない

念には念を 押して叩いて壊れても修理する

 深爪の隙間に邪気が来ないよう

 己の紙一重の欠点を煎じて 喉が渇く

もしも 万が一 そんなもの風次第

 されど 詰めの甘さは 絶対に許さない

青信号の点滅に 走りたくない

 雀をおどかしたくない

忙しい速度を流す者から 置いていかれようと

 雀をおどかしたくない

 深々と本日の顔の空へお辞儀する

 感じるしか出来ない本日の空の表情

走り出せない

走る者の時間と己の呼吸感

どうであれ 走りたくない


自由詩 蓄える時間 Copyright 朝焼彩茜色 2012-09-09 12:58:43
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