金曜 午後 交差点 で 君は言う
吉原 麻

わたし、このままでもいい?

と言った 僕の 恋人 の首筋を見て
僕は 自分の背筋が 凍る のがわかった

薄ら寒くなる陽気 の 中で 彼女の放つ空気は すぅっ として
水色と桃色の合わさった 色 だ

このままじゃだめだ
というのはわかっているのだけれど
そんなこと 言える はず ない

なぜなら彼女は 自分 を信じていて
そして
僕 を信じている


君はそのままでいいんだよ

僕はマフラーに埋もれた彼女の襟元を
必死で撫でるんだ


自由詩 金曜 午後 交差点 で 君は言う Copyright 吉原 麻 2004-12-13 23:44:53
notebook Home 戻る