フォトグラフ
藤鈴呼


写真立ての中の二人を楯にして
写真立ての柱の中に閉じ込めた

わあい 二人きりで 嬉しいな
能天気に はしゃぐ声

目立ちたがり屋の 二人なら
踏切の その手前
赤いランプ チカチカ
額の上で テカテカ

必死で 運んでいるよ
心臓から カテーテルを通って
また 舞い戻るみたいに
彼女 おぶってさ
おぶさった 彼女のブーツ
ブラン ブラン

ブランコに乗り 自転車を漕ぐ
二人の姿 思い出したよ

カンカンカン
時間外だから
点滅する筈もない 赤色シャワーが
微かに 見えた

写真の中の 笑顔なら
赤い ファブリーズで
しゅわっと はじける

そのまんまが 恥ずかしいから
ちょっと 加工してよって
君が 呟いた

今ドキの 技術じゃあ
おちゃのこさいさい
しゅっ と ふきかければ
噴水状の ホースよりも
いい仕事 しまっせ

★,。・::・°☆。・:*:・°★,。・:*:・°☆。・:*:・°


自由詩 フォトグラフ Copyright 藤鈴呼 2012-09-06 19:43:36
notebook Home 戻る