「助けて」
ぶらっくす たん

「助けて」





トントン。
トントン。
助けてください
助けてください
お母さんがまだ帰ってこないんです


助けてください
助けてください
開けてください
開けてください


ぼくを永遠のひとりぼっちから救い出してくださいよ



トントン。トントン。


助けてください
助けてください
あけてください
あけてください


このままひとりのままほったらかしになるのがいやなんですよ

夜になったら
眠ります
眠ります
そして朝起きたら
みんな死んでいたら
いやなんですよ。
ぼくは夜がこわくてきらいで
早く朝になってほしんですよ


あ、僕がかっこつけで狂ったふりしてるって思ってるでしよ。
むかつくんですよね
そういう態度。
あなたに何がわかるってんですか


イライラしてくるんですよね
その俺には関係ないって態度


自分に若干被害が及びそうだった場合や

興味本位で食事や酒の肴にしたい場合に

中途半端に干渉してくることはあっても

何一つ最善策を言ってくれませんよね


テレビの中の出来事だとでも思ってるんでしょ



朝になると安心するんですよ
孤独から解放される気分で
テレビつけるでしょ砂嵐がピィーンっていう試験電波
七色の画面で
あれみてるのが
なんか好きで好きで そのうち
子供むけのアニメ始まるでしょ
そこですごくホッとして
そうこうしてるうちに
徐々に窓の外が青くなる青くなる

朝日がのぼり

台所から朝食の支度してる音がきこえてくると今日が何事なく始まるんだって思ってホッと胸なでおろして


それがそれが毎日のように続くんですよ



私は天才だ。
間違いなく天才だ


弱さがわかるから
誰よりも


弱い人間の立場がわかるから



ほんとに弱い立場の人間の気持ちなんかわかってるやつはいないからね


だって
自信がないというその言葉の裏側には、おおいなる自信がひそんでる

自信がないから
傷つくのがこわいから
あるいは
向上心純粋なまでの
それらの理由で努力してその努力に比例した自信を持っている


すばらしい
あなたは正しい
正しい正しい正しい正しい正しい正しい正しい
なのに納得がいかないのは自己嫌悪のせいか

愛してる
愛してる
愛してる
愛してる
だから愛をくれ
愛してる
愛してる
愛してる
愛してる
だから愛をくれ

歩きにくい砂場の上をベタベタと歩きながら
そんなことを唱えながら

解放されたり抜けられなくなったりしてる

私たちはあるいは
わたしだけかもしれない


ろくでもないもの
連鎖させるくらいなら




人を信じてくれ
人を信じたい
人を信じた方がいい


ああっ被害妄想


信じる人たちに
追い詰められている
感覚
それがあるってことは
君に嘘があるってことだ


自由詩 「助けて」 Copyright ぶらっくす たん 2012-09-05 02:01:02
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