シホ.N


死は
手のひらから
始まっている

広げて見る
手のひらは
侵されつつある

ただ
ひたすら
手のひらを見る




苦を
手のひらで
かみしめる

握るもの
手のひらに
くいこんでゆく

痛みももはや
手のひらの
一部である




手のひら
ヒラヒラ
舞い開く

手のひらを見る
眼線も
危うく

死が
手のひらを
焼き始めている



自由詩Copyright シホ.N 2012-08-22 03:04:25
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