夏の夜
シホ.N


僕らは暑い夏の夜
安い酒をあおっては
語らいつづけたものだった

僕はといえば
汗をかき
粘液質の肉体感覚に
いらだったりもしたものだ

君はといえば
汗もかかず
すっきり笑って
余計に僕をいらだたせた

しかしこんな暑い夏の夜
僕にはやはり君しかいなくて
君に語りかける幻想を
はっきり目覚めていながら
この肉体に体験していた

しかしながら
君には
言葉がなく名まえもなく
存在そのものさえ
とらえどころなく

肉体感覚にさいなまれながらも
言葉にしか生きられない僕は
君のことを
孤独とか虚無と
名付けざるを得なかったんだ


自由詩 夏の夜 Copyright シホ.N 2012-08-18 01:23:27
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