拳
千波 一也
ひとを
見下し笑えたら
わたしの優位が成り立ちそうで
ひとを
けなして罵れば
わたしの優位が守られそうで
拳は
きょうも独りきり
石くれ気取りも甚だに
閉じたつもりの
孤独をさらして
拳は
きょうも
虚空のなかで
わたしの望みを
掴みそこねる
自由詩
拳
Copyright
千波 一也
2012-08-10 10:54:27