されどここまで
なきり

昨日に戻りたくて戻りたくて振り返ったけど
そこにはもう何もなくて
まるで
ドミノ倒しの先頭にいるようだと

目を瞑って耳をふさいで口をつぐんでみたけれど
誰も傷つけまいとして
距離を測ってその手を離して君から逃げてみたけれど
どうにもこうにも
心臓の音は消せなくて
生きるしかないのだと、悟った今日

あとどのくらいドミノを倒せば
僕は立ち止まれるんだろう
あとどのくらい
目の前に板は並んでるのだろう

知る由もないから
取り敢えず、
深呼吸して曇天を睨んでみる
どうにかこうにか、ここにいますと
お前の好きにはさせないと、まだまだ生きてやるんだと
神様に喧嘩を売ってみた


自由詩 されどここまで Copyright なきり 2012-08-08 10:27:07
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