manualies
ブルーベリー

こんなはずじゃなかった
うまれてくる世界を間違えた
ノートに埋めた忌み名とか
教科書に挟み込んだ死骸とか
見ないふりをしていた
線の引き方は
誰も教えてくれなかった
特別なのうをもって
うまい技術もなかった
移動式黒板の 裏側に隠れて息をしていたかったのに
引きずり出してきて眼鏡猿が手を出して
教えてと言う
何を

何をさ

抱き寄せるその手の
べたつきに気が付かずに
ただ与えられるそれを疎まず
裏切りのように誰かが言う

それは鬱陶しいものだって言う

成程
その通りで
成程ですねと
教え込まれた
大人ぶった相槌を打ち
濡れた指先を突っ込んで
絵本のくま みたいに
舐めてる
独りで

プラスチックさえも
リサイクルされるのに
どうしてもこればっかりは
うまくいかない
そっと可燃ごみに硝子玉を忍ばせる

あの人は焼却炉で化粧瓶の爆発に巻き込まれた

べたつく手が
無造作にやったことだった


自由詩 manualies Copyright ブルーベリー 2012-08-05 16:29:54
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