再生
灘 修二

目を醒ますと
わたしは絶海の孤島に流れついていた
濡れた衣服を乾かすため
焚き火をしようと
木を集め
薪を割った

スコーンと
こだまが返ってきた
最後の一斧を振るった
誤ってスコーンと
人指し指をはねた

脳天が割られたような
激痛が襲った
跳んだ人指し指を捜した
どこにもない
砂浜を捜し
砂浜に倒れた

多くの血が流れた
血は海に流れて群青色になった

わたしはこれまで人を指して人を責めた
わたしはこれまで自分を指して自分を責めた
だがもうその人差し指はない
誰も責めやしない
自分も責めやしない

流れる出る血は
私まで洗い流し
私を亡くして
骨は白い珊瑚礁となり
太陽がきらめく海に
浮かび上がった


自由詩 再生 Copyright 灘 修二 2012-08-05 06:27:56
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