おさかな
カマキリ

銀紙の庭にときどきおりてくる
いつも窓辺に張り付いて僕はそれを朝まで剥がしている
境界線上になった手のひらの上で
それはいろいろな季節だった

たしか遠くまで見ていた
ぼやけた山の頂上で
変な言い回しの雲が踊っている
ひとつずつ、折り合いをみてはいるけれど
触れ合うことに慣れながら奥歯に残った感触を気にしていた

セメントから運命まで、絵の具の街と海を割って
強引な生命線がまかり通る
もういらないやって、大事に大事に踏み潰す前に
毎日だった感覚が落ちていく

高速道路では亡霊のロケットを追い越して
あの魚は時計のネジを巻いていた


自由詩 おさかな Copyright カマキリ 2012-08-02 23:14:47
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