おさかな
カマキリ
銀紙の庭にときどきおりてくる
いつも窓辺に張り付いて僕はそれを朝まで剥がしている
境界線上になった手のひらの上で
それはいろいろな季節だった
たしか遠くまで見ていた
ぼやけた山の頂上で
変な言い回しの雲が踊っている
ひとつずつ、折り合いをみてはいるけれど
触れ合うことに慣れながら奥歯に残った感触を気にしていた
セメントから運命まで、絵の具の街と海を割って
強引な生命線がまかり通る
もういらないやって、大事に大事に踏み潰す前に
毎日だった感覚が落ちていく
高速道路では亡霊のロケットを追い越して
あの魚は時計のネジを巻いていた