安全なご飯の日々
小川麻由美

煩わしいのです
自ら 血管の育成に
恐れの心を抱いているのです

そう 煩わしいのです
血は内にあるもの
外に現れないで欲しいのです

私の体は 内と外に
しっかり表皮で
分かれていて欲しいのです
 
私の体は 内と外に
やわらかく
異質なものであって欲しいのです

煩わしいのです
バタイユの本の
写真の怖さを忘れたい

きっと 消えるでしょう
きっと きっと 消えるはず
全部は消えてくれなくとも

はしで食べるご飯が
おいしいと思わせてくれる日が
続くことを願います

こうして
いくらか 煩わしさから
視点をずらすのです


自由詩 安全なご飯の日々 Copyright 小川麻由美 2012-08-02 06:43:36
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