わるいこと
mugi



少女はあしあとをのこさなかった、水はけのわるい雨にゆるんだ
校庭をあるくときも、また、うすく雪のつもった歩道のうえをあ
るくときにも、わたしは彼女に聞いてみたことがある、それって
どうやっているの? 靴に仕掛けがあるの? わたしにもできない
かな? ねぇ、おしえて ? って、すると彼女は雪がとけていく
みたいに、じゅわっと校庭の土にしみこんでしまって、当然だけ
ど、もう元にはもどらなかった、わたしはとてもわるいことをし
たのだとおもった、







自由詩 わるいこと Copyright mugi 2012-07-23 22:33:42
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