真夏日、君と見た白昼夢
サトウチカ
虹色の魚は真夏の雲をかき分け
夕立の予感に誘われ泳いでいく
僕の立つ地面を突き抜けた先の人は
空に垂らした釣り糸でそれを捕まえる
境界線など本当にあるのだろうか
隣町の君はすぐそこで笑っているのに
うだる暑さの幻が忘れられず
目も眩む青を仰いで手を繋ぐ
そして僕らは見たんだ 夢の続き
どこかの優しい誰かが逃がしたあの虹色を
自由詩
真夏日、君と見た白昼夢
Copyright
サトウチカ
2012-07-21 02:31:54