スピードメーターとメトロノーム
藤鈴呼

幾つモノもみの木が生える季節だから
橇と書くの

牽くのはトナカイなんだけど
何故か木の幹と色は一緒なの

載るのはサンタなんだけど
ヒゲがジャマすぎてカオが見えないから

笑っているのか泣いているのか
怒ってるのかが 分かんない

ただ アタシの代わりに 空が泣いたから
唇 噛み締めて 歩けるような 気がした

同情されても それは アタシじゃないし
微妙な気分で歩く キラキラ通り

幾つモノ店を歩くと ニベもなく
タライ回ることもなく 能面の微笑み

それでも 知ってるの
断りが 最上の 思いやりだと

期待 持たせるのが 悪いから
気体と化した 言の葉 散らす

分かってるから 涙も止まる
緑の記者に ニラまれた

ゴールドの 虎だか豹だか分からない
動物を 括り付けた シャツを着て

斜め45度の角度から
ゆっくりと 見下しやがった

私の代わりに 泣かないで下さい
何も出来ないなんて 吠えないで下さい

キラキラの町並み
人は 顔輝どおりと 呼びます

未だ ウイルスは 注入してない
呼んでないから 来ないで欲しい

誘った覚えも 顔合わせるカオも
持ち合わせては いないのです

あと 5分以内に 視界から消えて下さいと
塩を巻くフリする輩を振り切って

スピードメーターとメトロノームを
交互に眺めて 走ります

シグナルは 全て黒
電気が 止まっちゃったんだから しょうがない

見たくても 見えないんですよ
時間だって 分からないから

再起動するしか 無いんじゃないでしょうか
最初は この画面も 真っ黒だったんですから

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自由詩 スピードメーターとメトロノーム Copyright 藤鈴呼 2012-07-20 01:58:40
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