人権
HAL

もう引退を宣言された政治評論家の
三宅久之翁はある番組でこう断言なされた
『こどもに人権などないんだ。きちんと目上の
 ひとの言うことを聞いていれば好いんだ』
言葉はそこで留まらず
『こどもに人権があると想っているのは
 大抵は自分の機嫌次第でこどもに虐待を加える馬鹿親か 
 こどもに媚び諂う阿呆教師だ。だから やがてこの国を背負う
 こどもたちがどんどん駄目になっている』

もちろん天敵である田嶋陽子氏は即座に
反論を喋り掛けようとしたが
『ひとがまだ話している途中だ。黙らっしゃい!』と一喝した

その放送を流した局には抗議の電話が鳴り続けたらしいが
幼い頃に親父から理由もなく機嫌次第で暴力を受けつづけ
ペンチで左手の人差し指の爪を剥がされた痛みを憶えてる
ぼくでさえさすが三宅久之翁健在と拍手喝采をお贈りした

だから餓鬼どもは俺は偉いんだと勘違いをし
気に入らない奴には徒党を組んで苛めて喜ぶ
もしかしてそいつが自殺でもしようもんなら
遊びだったのに本当に自殺するとはねと嗤う







すべて実話です。一切の脚色はありません。最後の連はぼくの想いですが、直球過ぎたかも知れませんが、事件を知れば知る程、変化球は投げられませんでした。そしてここからは、ぼくの憤りです。本心は、苛めた奴等より保身に走る教育委員長や校長、そして絶対に記者会見に出て来ない担任の教師。いくら校長の命令でも出て来るのが、教育と云う仕事を選んだものの責であるはずだ。大人がここまで腐っているんだ。まともなこどもが育つ訳がないことに何故、気づかない。警察を含めこの事件の関係者の大人の者共。いま教育の世界だけでなくすべての世界に必要なのはプロフェショナルであって、あなた達の様な自分のことしか考えない幼稚なアマチュアでは、決してないのだ。マンションから飛び降りた子の命を奪ったのは、苛めた子もそうかも知れないが、真の殺人者はあなた達なのだ。


自由詩 人権 Copyright HAL 2012-07-17 21:44:32
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