各駅停車
そらの珊瑚
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし
信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに
夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなのです
だいじょうぶ あなたのいないこの庭で毎日虹を作りますから
山と山 かさなり合った谷間から雲が生まれてきましたね
ピィィーとひと声夜汽車ゆく 枕のトンネルくぐり抜け
記された消印はすずかけの森 時々届く過去からの手紙
さみしさを別のさみしさで埋めていくカレンの歌声青春の影
ちりぢりになった欠片を集めたら故郷によく似た絵になった
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夢見る頃を過ぎても(短歌)