約束の地
吉岡ペペロ
交番のまえで指名手配の写真や似顔絵を見るのが好きだった
小学生のぼくは駅の改札口のまえにいつも佇んでいた
犯人を見つけたらなにか気持ちのいいことが起こるような気がしたのだ
いろんなひとを見つめていた
みんな勝手に切実に生きていた
いまから思うとそんなことを思っていた
犯人でもなんでもないひとびとが
奇跡的な偶然で世の中に吊されていた
交番のまえで指名手配の写真や似顔絵を見るのが好きだった
小学生のぼくは駅の改札口のまえにいつも佇んでいた
犯人を見つけたらなにか気持ちのいいことが起こるような気がしたのだ