あの娘は僕に言ったよ
フミタケ

今この瞬間にも色んなことが起きてる。
どうしてこんなに厳しい約束事だらけなんだろう
たったひとつの小さなミスが大きな軋轢を生んだりするなんて
ある個展で偶然見かけた親戚の伯父さんに他人のふりをしたり
ある人はやけに上機嫌に僕に親切に接してくれたり
かつての仲間に電話をしたら、一方的に拒絶されたり
ちょっとした一瞬の行動が
その後のすべてを大きく変えることがあるって、
年老いた黒人パーカッショニストが僕に語りかけたことを思い出したり
今日はそんな一日だった
あの娘は僕に言ったよ
「デモに行くなんておバカさんよ。ボランティアに行くほうがいい」
「みんなみんな、大変な思いをして生きているの。
こんな世の中でも、わたしはできるだけ毎日楽しく生きていたい」
20分読書をしたくてケンタッキーフライドチキンを頬張ってたら
結局時間がなくなってしまったフードコートで
ゲイの高校生カップルがペッティングをしているのを横目に、
誰に恋するのもその人の自由だと思ったり
落ち込んでる少年を励ましたり
あるとき手伝った人におかげで成功できたと感謝されたり
別々の場所で再会した2人の女性に
「雰囲気が変わったね。何だか小さく見える」と言われたり
行きつけの美容室のいつも頼んでるスタイリストと
信頼関係を新たに意気投合したその場で一万円札を紛失していたり
幼なじみからバースディケーキのお礼の言葉のかわりに、
お前には愛想が尽きたと言われたり
その直後にフロリダから来た黒人のセクシーな美少女に逆ナンされたり
誰かに足下を見られ切り捨てられたり
上司に頼られ激務を投げられたり
今日はそんな一日だった
あの娘は僕に言ったよ
「あなたはそのまま自分の心に従って行動すればいい。
それで誰かを巻き込んでいるなら、何かがあったとしても、
あなたは耐えていくべきね」
プレミアムモルツを飲みながらこれを書いて、
なにを言っているのかよくわからない
今日はそんな一日だった


自由詩 あの娘は僕に言ったよ Copyright フミタケ 2012-07-03 01:20:31
notebook Home 戻る