腸詰めをものする
salco

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1本のソーセージを自我とする

貫く串はリビドー又は時間軸だろう

小麦粉と溶き卵、それに砂糖
このブ厚い衣が自尊心

適温の食用油で適宜に揚げる
これは処世術(セオリー)と言える

外はカリッと
中はフワッフワ

仕上げにケチャップとマスタード
適量の楽しみ、スパイスの添加は欠かせない

こうするとソーセージの質を問わず
おいしく食べられ、小腹を満たせる
実にコンビニエントだ

そして串の尻にこびりついたカリカリの欠片
このいぎたないひとかじり分が恐らく
私の実質




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1本のソーセージを戯画化する

それは男性器1本しかないだろう
性欲と繁殖の前哨基地いや砲身
雪隠詰めの朕詰めはだがしかし
噛んではいけないのだ
優しく舐め且つ適宜に吸わねばならない
この作業は
雑食動物の歯牙にとって厄介な事だ
およそ
ヒト科以外でこの業に励む動物はいるのか
ま、犬猫のは自己グルーミングだ
母親以外はやらない

朕の支配欲は
一定の女性器への収容により鎮静し
めでたく去勢を見る
「属する」
それがヒト科唯一の幸福論である
これをケツ論という
属性の恒常的安泰を得てヒトは初めて
自由への飢渇で心おきなく遊ぶ事ができる
これを心因性解離包茎もしくは
いい御身分という

フランクフルト・ソーセージの自己認識
この過大評価は幻影でしかない
何故なら怒張とは方法論の過程形態であり
自ずと委縮を以て完了とする
でないと日常生活に支障を来す
これは体面の対海綿体機制
もしくは淫果おほほほと呼ばれる

男は神経学的に不利ですよ
形態機能からしてストレスフルだ
長生きを望めるわけがない


自由詩 腸詰めをものする Copyright salco 2012-06-24 23:55:16
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