塩水
mugi


ひとつの魂でゆける距離には、限りがあり、人が泣きたくなるときには、
そこにたどりつけないことを既に知らされている、夏の舌を通過する中
央線、転がる発泡酒の空き缶、そのなかには、いくつもの小さな死体が
詰込まれている、まるでキャンディーの包み紙のような、薄いアルミ箔
につつまれて、深夜になると花を活けた、ほんのすこしだけ水分を必要
としている、詩の身体を海に近づけるために、






自由詩 塩水 Copyright mugi 2012-06-23 23:57:49
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