暗闇れもん



月の浮かぶ湖が淡い光に染まる

指の隙間から
流れ行く黒い水

心を映す鏡なのだろうか

冷たい手の指先から
光が生まれていく

光は体を伝い
抱くように包み込んだ

赤ん坊のように丸めた手足

温かな命の光
静かに呼吸する

凍った月が湖に沈み

音をたてて溶けている

胸から溢れ
目からこぼれるこの想い

もてあまし

溶けかけた月が
さよならと音をたて

また淡い光に変わった


自由詩Copyright 暗闇れもん 2012-06-17 00:34:09
notebook Home 戻る  過去 未来