憂鬱な朝
佐藤伊織

おはよう  校舎から放射状に伸びて校門を突き破って生えている杉の木と
レンガの上に一列になって羽を畳み損ねているてんとう虫が
機械化された栄子の胸を圧迫する様に私はただ積み重ねてきたレンガを一個一個
おはよう 今日もよい天気だね 生徒達が次々と栄子の体内を歩いていく

そんなに伸びても
影ができるだけだよ






自由詩 憂鬱な朝 Copyright 佐藤伊織 2012-06-10 00:42:50
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