晴天
Neutral

引きこもり。
裸足でどかどか人の部屋を踏み荒らすような怒鳴り声。
いつかなくならないかな。

水たまり。
綺麗な靴を履いてはしゃいで気が付いたら泥だらけのうかつさ。
いつかなくならないかな。

その、いつか。
いつかきっと耐え切れなくなった私は、

自分が受け入れられないものに対して、嫌いだと面と向かって叫んでしまうだろう。
そしたらきっとそれは、
私の中で絶対許してはならない事になってしまって
私の心をいつまでも濁らせ続けるだろう。

自分を受け入れてくれるものに対して、好きだと面と向かって心を打ち明けるだろう。
そしたらきっとそれは、
私の中でとても尊いものになってくれて
これから何があっても私を許し、支え、導いてくれるだろう。

嫌って嫌って、やがて己をも嫌い
耐え切れなくなった者が、誰にも報われることなく消え去る道をとり
そして最後には誰の心にも残っていない。


避けて通ることだけを考えていた。
私が一番嫌だと思っていたことが、
私に一番大切な事を教えてくれたんだね。

空想、挑戦、努力、願望、片想い。
失敗した者にも成功した者でも、
私達には等しく訪れるものがあった。
それは過ぎ去った時間。
かけがえのない私だけが、これからもっと増えていくの。

気付いた。
やっと気付いたよ。
涙は止み、雲が晴れ、
晴天。
緑と青の混じる美しい命の巣。
私の世界、きっとこれからもっと素敵になっていくんだね。

暗い気持ちに塞ぐ中では太陽が、
強すぎる日差しの中では月の光が
いつでも私の心と共にある。
畳もうとした傘から嬉し涙が零れ、乾いた地面に小さなシミができた。


私の言葉は
誰に届くのだろう。
どこまでどんなふうに
伝わってくれるのだろう。

この匂い、雨音、自分でも聞き飽きた名前。
全部脱ぎ捨てたら、僕と君で、私とあなたで、
二人でどこまでも行こう。
それはすべてを忘れ、
すべてを思い出す旅。


自由詩 晴天 Copyright Neutral 2012-06-09 04:57:54
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