眠られぬ真暗な部屋で音もなく携帯電話の液晶光る
訃報ってなんだかいつも手触りがないから涙はその時来ない
「食い逃げだ」今日の私は言われそうもしも船橋まで出かけたら
間に合わぬことがあるよと告げられて言葉は不意に溢れ始める
言挙げに似たる惹句の朗読会それでもすごく行きたかったよ
仕事場は梯子の上と言いながら地面に足が届いてるひと
霜月の末の日記に『この時期は「喪中につき」との知らせも届く』
言わないで『2004は好きだった中島らもがなくなった年』
違うでしょ違うでしょほら表札が今年はあなたの逝く年じゃない
いつだってもっと聞けると思ってたごめんなさいごめんなさいううん違う私が損しただけよ
私って不幸を食らう怪物だだって今日動いてるもの
息詰るほどの涙を栄養に私はありがとうとしか言えない
奇聞屋に予約を入れたばかりって訃報を確認する時知った
先頭に立って駆けゆく馬のよにこれからもっともっともっと
「平和へ」と衒いのかけらもなく言えて詩の聴衆を拓けるひと、と。
いつまでもとても真面目でちょっと道化てそんな声がどこかで響く
十二月七日の夜は朗読の予定の筈と聞きましたけど?
眠りたいですかそれなら冬眠にしてほしいってわがままですか
}『』のなかの言葉は武力也さんの下記のurlの日記から引用
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=454014&start=1&log=200411&maxcount=20