ベロニカ
まーつん

ベロニカ
君を裸にしよう

そのシャツのボタンをはずして
ブラのホックもとって
紙吹雪の様にまき散らしてくれ
この四畳半のアパートに

そのスカートを下ろして
ソックスも脱いで
倒れないように バランスを取って
畳の上に 横になってくれ

明日のことは 忘れよう
欲しいのは 今だ
今 僕以上に
生を楽しんでいる男など
この地球上に いはしない

ベロニカ そんなにか細い声で
歌わないでくれ その口元から伸びてくる
蔦の先に咲く薔薇 僕はそれを犬歯で噛み切って

君の前髪を飾る とても綺麗だ

そんなに冷たい目で
真冬の泉に張った
氷のような目で
俺を見ないでくれ

ああ どうすれば
その心を溶かせるのだろう

君に触れようとする手は
冷たすぎて火傷をする

ベロニカ
君を 食べてしまいたいのに


自由詩 ベロニカ Copyright まーつん 2012-06-05 23:06:51
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