涙がめにしみる
吉岡ペペロ

ぼくは人類におおきな迷惑をかけている

みんなぼくのことで

月曜日がいやになっている

日曜日がつまらなくなっている

世界でいちばんつらい死にかたがそれなら

ぼくこそそれが相応しいだろう

ごめんよ、いままで、迷惑かけたな、


ぼくはテストを受けた

結果はぜんぜんダメだった

馬鹿だとは思っていた

数値化されるとからだのなかから

何かが根こそぎもっていかれた

ずっとそうだった

無理してあわせて空回りして

結局そんな努力はムダに終わっていた

泣きかたも忘れて笑いかたもわざとらしくて

自分でもおかしいなとは気づいていた

さびしい

抱きしめてほしい

満月は真っ暗闇にあいた穴のようだ

涙がめにしみる


ぼくは人類におおきな迷惑をかけている

みんなぼくのことで

月曜日がいやになっている

日曜日がつまらなくなっている

世界でいちばんつらい死にかたがそれなら

ぼくこそそれが相応しいだろう

ごめんよ、いままで、迷惑かけたな、








自由詩 涙がめにしみる Copyright 吉岡ペペロ 2012-06-04 00:42:35
notebook Home 戻る