なげき
ドクダミ五十号

深夜にカッコウが鳴く

ホトトギスと同類の鳥

托卵が習性とは云え

さぞ悲しかろう

住宅地に陽光の訪れる前に

さぞ恨めしかろう

深夜の睦みが

羨ましかろう

私はお前の哭き音を

己がものと照らす気は無い

理解はしていてもだ

孤独の闇はお前の嘆きの

入り込む隙間も無いのだ

托卵せよ

預けて泣くのだ

冷やかに私は聞く

格好の相手じゃないか


自由詩 なげき Copyright ドクダミ五十号 2012-06-03 04:23:10
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