夜明け
takano

カリフォルニアオレンジの

レースのカーテンが開く

朝靄がかった滑走路から

無人の戦闘機が機首をあげ

オレンジに光沢した

カーテンをふりはらい

飛びたっていく

轟音だけが滑走路に置き去られ


 群青の渦を巻きながら

老将兵の

目覚めの瞬間に

深い奈落の記憶に

沈んでいく


自由詩 夜明け Copyright takano 2012-06-01 14:34:32
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