マキノ式飴
藤鈴呼

空っぽの楽しみを
考えて 見る

何色の 液体を
注ごうか
創造するんだ

透明は 
立派な色だと知って
愕然としたこと
覚えてる

マキノの飴は
全て オブラートに
包まれて 居てね

一つ 一つ
丁寧に
ピリッて 剥がすと
思い出すんだ

傷口に 染みる
マキロンの 存在を

マキノ と 
マキロン って
似てるよね

ピリッて 染みるのは
傷が 有るから なんだケド

傷を与えた 枝を
攻めちゃ イケナイ

そうしたら 来年の花は
咲かなくなって しまうからね

蕾 一つ くらいだったなら
拝借しても 良いかな

夜の海に 浮かべて
飲み干すんだ

目の前の膿は
化膿寸前だからね

出来れば ショットグラスなんかが
オツじゃない?

ふわり 浮かべたら
花の色合いで
透明は 変化するから

最初から
赤とか 緑の グラスだったかのように
透明なんて
知らなかった みたいに

だけどね
透明は
必ず そこに 有る

白だって
立派な 色なんだよ

白い画用紙に 
白いクレヨンを
どうしても 使いたい場合
背景を 塗るでしょう?

ピント 合わせて
ちょっとした アイディアで
見えなかったものは
こんなにも
色鮮やかに 耀くんだから

ちょっとぐらい
オブラートくさくったって
ほおばって見れば
色んな味を
感じられるんだね

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自由詩 マキノ式飴 Copyright 藤鈴呼 2012-05-28 00:15:03
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