くるぶしからキスをして
永乃ゆち


くるぶしからキスをして

部屋の灯りはすべて消して

わたしの乳房をまさぐるその手が

あの人のものだと思いたいから


背中から愛撫して

声をあげないで

わたしの陰部をまさぐるその手が

あの人のものだと思いたいから


耳の裏から舐めつくして

朝になったらどこかへ消えて

この夜の熱が

あの人のせいだと思いたいから


あの人を想いながら

独り絶頂に達するだけ

それだけで良いから


自由詩 くるぶしからキスをして Copyright 永乃ゆち 2012-05-26 01:33:04
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