少女
藤代

チャイムが風みたいだから
白いチョークに掴まっていた


答えなさい


黒板を差して
先生が
おっしゃるので


包帯のようです


そう、言ったら
みんな笑っていた
先生は、下を向いていた


保健室から
戻ってきて
鉛筆を
シャープペンシルに替えてみたけど
便利さはか弱い
力加減が分からないまま
芯が飛んでゆく
先生のいらっしゃる
季節の変わり目へ
見つめて
嘘をついた
つきたくなかった


誰も知らないことを私は知りたいのに誰も知らない、
から、一人にならなければ
いけないから平日の
ベッドの中でお腹を
痛めた、ものの為に
強く、ならなければ
と、窓の向こう木が
揺れている、風が
チャイム、みたいだから
体温計を見つめて


答えなさい


つよく、なりたいです


自由詩 少女 Copyright 藤代 2012-05-23 20:23:48
notebook Home 戻る