『アンモナイト』
東雲 李葉

化石になったら隠れよう 琥珀になったら閉じこもろう
みずみずしい生き方だったね
まるで魚のような鱗はないけど
剥がしても剥がしても人になんてなれないから

何万年経ってもまだ地球の話をしてばかりの僕らだ

変わらない姿で色で 周りが石になっても砂になっても
たくさんの涙がこの海の源泉さ
まるで貝のように口を閉ざして
柔い中身を衆目から退けて

何万年経ってもまだ星座を知らない水底だ

それでもいつかいつか
流れ星が落ちてきたらいいな、って
一緒に化石になりたいな、って
右巻きに願いをかけて渦を巻くアンモナイト


自由詩 『アンモナイト』 Copyright 東雲 李葉 2012-05-22 19:01:54
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