わたしたちは・・・
草野大悟

ぱたぱた ぱたぱた
 ぱたぱた ぱたぱた
  ぱたぱた ぱたぱた
           ぱたぱた ぱたぱた
            ぱた ぱた ぱた

蝶 超

ミストの
ただよう樹海で
あなたは とおい海を とおい風を おもうのだろうか

ひまわりのころ
あなたは とおい とおい 記憶を 書きつづっていたのだろうか
ひまわりのころ
あなたは 冴えない男に恋文を 息はずませて 投函した のだ
という でも 冴えない男は 返事すらよこさず あなたは
失恋という 理解できない現実をつきつけられ た らしい

ばかだね
そいつ
そいつは
大学生になって
やっと
あなたの すてき に気づいて
手紙を書いてきたけれど
あなたは
センタクをした 彼と俺を



なんにもないだろう蝶や蝶は
やはり
青空をさがして
きょうも
病棟の夢をさがすのだろうが
夢は年々やせ細っていることに
私たちは十分気づいている し それが これ以上の
夢を産まないことも 知っている

明日からの
風は
昨日までの
風と
はげしくぶつかり合い
渦巻いて
今日という日を創っているのだけれど
わたしたちは・・・


自由詩 わたしたちは・・・ Copyright 草野大悟 2012-05-16 21:21:01
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