文房具
三奈
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっぽけな私でも 何かを
生み出せるのだと 知った夜
嬉しくて ほっとして
笑う 泣く 笑う
やがて覚えたボールペン
嫌いではなかったけれど
お友達の修正液さんの事は
なぜだか好きになれませんでした
書いて 消して また書いて
心を映す鏡を作った
そこに映った私は
ちゃんと人の形をしていました
文房具が魅せた夢
過去と今の欠片は
今も優しい夢の中
両手を広げて 微笑んでいる