離岸流
そらの珊瑚

磨かれた空に足跡つけていくいたずら小僧のような雲たち

なんにでもなれる人がやわらかく五月の樹々の若葉となって

この指をアンテナとして建てました心のスイッチ押して下さい

まなこから鱗はがれて落ちていく魚であった記憶とともに

ひらがなが略字となって見える日は省かれてゆく悲しみがくる

点が持つ軌跡のような円になる 手嶌葵のうたごえ聴くと

踏まれても強い花だというけれど踏んでくれとは言っていません

水中をたゆとうように生きていく我一粒の泡となっても


短歌 離岸流 Copyright そらの珊瑚 2012-05-04 21:09:43
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夢見る頃を過ぎても(短歌)