初夏の宵
凪 ちひろ

枯れた花に見る真実
まよいごと 一枚 二枚……
人の口の端に乗れば
偽りの空

一度も 一度も 口にせず
そのまま終わったとて
誰も知ることはない
それは 存在しなかったのと 同じこと

走って走ってたどり着く先は
キミノミシアシタ?

昼下がりの 日の光
照らし出された 山吹の花
青き葉に差し出されたそれに
そっと触れる
ワタシハマダ ハシレマスカ?

終わり終わらぬ 闇夜のロンド
星々 月々 日々 歌う
走れ 走れ 先が見えなくとも

枯れた花に見た真実
まよいごと 一枚、二枚、
三枚、四枚、五枚、六枚、
七枚、八枚、九枚、十枚、
十一枚……
悲しき女の運命の
散りぢりちぢり 初夏の宵


自由詩 初夏の宵 Copyright 凪 ちひろ 2012-04-27 00:16:11
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