月夜
春仙


僕は君の夢を見る
シーツにくるまった君の夢を

静寂とともに訪れる穏やかな時間と空間が見せるのは
幻想と想像と冒険の世界

僕は月の光を全身に浴びて
宇宙(そら)の夢を掻き集める


僕は君の夢を見る
涙にぬれた頬をさらす君の夢を

悲しみに包まれたままの現在(いま)を生きるには
あまりにも非情な現実

僕は傷だらけの心を抱きしめて
散らばった悲しみを掻き集める


僕は君の夢を見る
月夜に彷徨う沙漠の中の君の夢を

行く当てのない毎日の中で見つけたものは
生きることへの渇望

動き出した心の歪みを抱えたまま
僕は君の全てを抱きしめた

月夜に見る君の夢は
寂しくて切なくて 暖かい


自由詩 月夜 Copyright 春仙 2012-04-22 12:37:28
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