サラブレッド(競馬篇Part.1)
HAL

サラブレッドはサラブレッドとして
生まれてきた訣ではない

イギリス人がアラブ馬と狩猟用のハンター馬などを
競馬で勝利することだけを目的として創られた
最高の芸術品として呼ばれることも知っている

でも交配と淘汰を繰り返しながら
品種改良されたことはある意味で人間の勝手さだけで
生まれた競走するためだけの馬だ

ぼくはサラブレッドは血で走ると想っているけれど
その父の血統を辿っていくと三大始祖である
ゴドルフィンアラビアン
バイアリーターク
ダーレーアラビアン
とのたった三頭に行き着く

だからぼくはサラブレッドを
悲しいと呼んでもいい生き物だとも想い競馬を観る

どの馬も心肺が停止する死んでもおかしくない限界まで走る
また心肺停止でゴール板を一着で駆け抜けた馬も知っている

しかしそれ故に緑のターフを生命を賭して走る姿を
美しく想い競馬を愛しているのかも知れない

もう淀にも仁川にもましてや府中へも
いけない身体になってしまったけれど

どの馬も安楽死される骨折だけはしないようにと祈りながら
最下位の馬が無事にゴールを切るまでぼくは競馬を観ている


自由詩 サラブレッド(競馬篇Part.1) Copyright HAL 2012-04-19 23:25:43
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